低コストで購入できるのが便利なプリンターの互換インクとは?

プリンターはパソコンなどから転送された元画像のデータを受信すると、送出された用紙に対してインクカートリッジから噴射されたインクにより忠実な印刷が行われるという仕組みです。そんなプリンターで使用するインクカートリッジは本体を製造しているメーカーが販売している純正品をイメージしてしまいがちですが、実は様々なサードパーティーからも互換インクも販売されています。純正品よりも低コストで購入できるにもかかわらず問題なく動作し色鮮やかな印刷ができることから、導入する方が増えています。

プリンターのカートリッジが機能する仕組み

互換インク

プリンターに使用するインクカートリッジには、各色のインクが注入されているだけではなく、信号を受け取って制御するための電子チップやインクを噴射するノズルなども備えられています。パソコンから操作した場合は印刷する元画像のデータがプリンターに転送され、それを元に信号がインクカートリッジに届き、指定された量のインクがノズルから霧状に噴射されます。ドット単位で用紙が移動するたびにカートリッジを乗せたヘッドが左右に動きながらインクが噴射され、それが組み合わされることで文字や写真などが構成されます。インクジェットプリンターの場合は用紙にインクが触れて滲むことが計算されており、高精細な印刷が可能です。このようにプリンターのカートリッジが正しく機能することで、元画像に忠実な印刷をすることができます。かつてはこれらの機能はメーカーが販売している純正品でしか行うことができない専売特許でしたが、現在では互換インクでも同様の機能を備えた製品が登場しています。

インクを混合させてあらゆる色を再現

インクカートリッジのひとつひとつは単色であるにもかかわらず、写真画質のようなフルカラーの印刷ができるのはインクを混合させているからです。白の三原色はRGBとも呼ばれ、レッドとグリーンとブルーを表わし、それを均等に混合すれば白色を作ることができます。さらに混合する量を変化させれば、あらゆる色を作り出すことが可能です。プリンターのインクカートリッジでも同じように色の混合が行われ、写真画質のフルカラーを再現することができます。低コストなエントリーモデルのプリンターであればレッドとグリーンとブルーの3色のカートリッジに対応したものがありますが、僅かながらに誤差があり意図した通りの色にならないことがあります。一方、ハイエンドモデルの場合は8色や16色など多くのインクカートリッジに対応し、さらに色再現性が高くなっています。求める印刷品質やコストから、いずれかのタイプを選ぶことができます。互換インクでも当然これらのエントリーモデルからハイエンドモデルまで、それぞれに対応した製品がリリースされています。

モノクロ専用カートリッジでコストを抑えながら印刷品質をアップ

白地に文字が書かれているだけの文書やモノクロでも十分な用途の場合、フルカラーのインクカートリッジを使用するのはコスト面で非効率になってしまいます。前述の三原色から複数のインクを混合して黒色を作り出すことは可能ですが、それだけのために多くのインクを消費するのはもったいないと考える方も多くなっています。そんなシーンのためにインクカートリッジの中には、モノクロ専用の製品が用意されています。黒色のインクが注入されていることから混合する必要は一切なくコスト面で有利になるのはもちろんのこと、そのままで高品質な印刷が可能です。また、インクを混合させて黒の印刷をする場合には稀に誤差が生じて完全な黒色にならないリスクもありますが、モノクロ専用カートリッジならその心配もありません。モノクロ専用カートリッジは混合することを想定されていないことから製造工程もシンプルになり、それが製品価格にも反映されてお得になっています。互換インクの中にも、もちろんモノクロ専用カートリッジがあり、より低価格で購入することが可能です。

互換インクでありながら純正品の機能も備えている

かつてサードパーティーからリリースされていた互換インクは、単に純正品のラインナップと同一の色のインクを注入していたに過ぎず、純正品と比較して印刷をした際にはしっかりと色再現はできている一方で細かなニュアンスに違和感を覚えることもありました。メーカーの中には印刷した用紙を長期保存しても色あせないような工夫がされていて、湿気などの水分が付着しても色落ちしにくいような機能を備えたものも登場しましたが、互換インクではそれらを再現するのが難しい時代もありました。しかし、昨今では互換インクを製造販売しているメーカーでもノウハウの蓄積やイノベーションの進展があり、純正品と同様の機能を持たせることに成功しました。高い色再現性で元画像に忠実な色を出せるようになったのをはじめ、インクに特殊ポリマーを配合して色落ちがしにくく耐久性が高くなったのも評判です。低コストだからと言っても印刷品質には切妥協したくないというユーザーからも一目置かれる存在になりました。

互換インクはなぜ低コストを実現しているのか

工業製品が販売されるまでには企画から設計、生産のほか、流通ルートに乗せて店頭で販売されるまで多くの手間とコストを要します。プリンターのインクカートリッジも同様で、相応の手間とコストをかけた末にユーザーの手元に製品が届けられるというプロセスです。一方、互換インクの場合は既に開発されているカートリッジや確立されている流通ルートが存在している中で開発が行われることから、大部分は新規に行う必要が無いのが特徴です。既存のカートリッジと同様の形状のものを作り、後は注入するインクの調達やパッケージデザインを考える程度です。広く普及している人気のモデルなら既にマーケットが開拓されており、あとは互換インクの販売を開始するだけです。このように開発コストが皆無となる上にマーケットを自ら開拓する必要もないことから低コストを実現でき、お得な価格での製品の提供が可能となっています。さらにユーザーに純正品と互換インクを自由に選べると言う選択肢を与え、用途に応じて使い分けることができます。

お得に互換インクを購入できる手段

互換インクは全国のパソコンショップや家電量販店のほか、インターネット通販の大手ECサイトなどでも販売されています。最寄りのお店はもちろんのこと、近くにお店が無い方やオープンしている時間に足を運べない方にはインターネット通販を利用するのが便利です。そんな互換インクは元々が純正品よりも低価格で販売されていますが、さらにお得に購入できる手段が用意されています。そのひとつの方法がまとめ買いで、単品で購入するよりも遥かにお得です。鮮やかな色再現を求めるならインクのメーカーを揃えるのが望ましいですが、単品購入の場合は純正品と互換インクを混ぜて使用してしまっては想定した色にならないケースもあります。そこで互換インクの各色をまとめ買いすればお得な価格で購入できるだけではなく、確実な色再現性を得られるのもメリットです。大手ECサイトによってはポイント還元もあり、さらにお得感が増すのも嬉しいところです。純正日に劣らない入手性が高くなることで、インクが切れることがあってもすぐに補充できるのも便利です。

まとめ

互換インクは純正品よりもお得に購入できるのに加えて、昨今になり各メーカーの技術力が向上し高い互換性と色再現性を持っていることが分かりました。一方、純正品と比較してニュアンスに僅かながら違いがあり、独自の機能を備えていないケースがあることも踏まえる必要があります。いずれにしても互換インクが存在することでコスト面や入手性などからユーザーが自由に選択でき、プリンターの活用方法が広がることに大きな貢献を果たしています。